2025年7月 「プーさんに会いたい!」こはるちゃんの夢を叶える3日間

2025.07.25 活動レポート
小児がん 小児がん支援 家族旅行 子ども スマイルスマイルプロジェクト ジャパンハート ディズニーランド ディズニーシー

この7月、スマイルスマイルプロジェクトは、ひとつの大切な夢を叶えるお手伝いをしました。
「ディズニーランドに行って、プーさんに会いたい!」そう願ったのは、こはるちゃん。小児がんの治療を約3年間続けてきた、元気で頑張り屋の女の子です。

こはるちゃんが入院治療を行っている間、「治療が落ち着いたらディズニーランドに行こうね」と、お母さんと約束していました。しかし、ご家族は、自宅や病院から離れた場所への外出に不安を抱えていました。それでも「絶対にディズニーに行きたい!」というこはるちゃんの強い思いに背中を押され、医療者の付き添いがあればお出かけできるかもしれないとご依頼をいただきました。

お母さんからお問い合わせをもらった 1 週間後にこはるちゃんの入院する病院に会いに行きました。
ミニーちゃんのカチューシャをして可愛らしく登場したこはるちゃんは、初めましての私にびっくりして泣いてしまいましたが、落ち着いたところで「プーさんに会いたい。」と教えてくれました。 ディズニーランドは、家族そろって行くのは今回が初めて!
旅行日は、こはるちゃんとお母さんが大好きなMrs. GREEN APPLEのイベントも始まる日。「ベイマックスに乗ったらミセスの曲が流れるといいね!」と、私も一緒にワクワクしながら準備を進めていきました。

ところが旅行の6日前、突然お母さんから「こはるちゃんが腹痛を訴え、食事も動くこともできなくなった」との連絡がありました。急遽、持続の痛み止めの点滴が始まり、お母さんも「痛みを我慢する娘を無理に連れて行くことはできないかもしれません。」と話されました。 しかし、辛い痛みに耐えながらもこはるちゃんの「ディズニーに行きたい」という気持ちは揺らぎませんでした。
ご両親は主治医と話し合い、「少しでもこはるちゃんの負担を減らしながら、予定通り出発しよう」と決意されたのです。

移動手段を飛行機から新幹線へ変更し、点滴をしながらの移動もスタッフが同行できるよう調整しました。
旅行当日は補液投与も実施できるよう、主治医とも綿密に打ち合わせをしました。旅行の前日には、お母さんから「こはるちゃんの笑い声が病棟に響いています。」と嬉しいご報告が届き、旅行の予定がこはるちゃんの活力になっていると感じました。

そして迎えた当日。
かわいらしいワンピースを着て、メイクもばっちりのこはるちゃんが病室で待っていてくれました。初めて会ったときの涙とは違い、少し照れながら「ディズニーに一緒に行くさなちゃん。」と話しかけてくれました。主治医や看護師さんに「いってらっしゃい!」と見送られ、新幹線で東京へ向かいました。新幹線では、妹ちゃんと一緒にお菓子パーティーを楽しみながら、笑顔いっぱい過ごすことができました。

夕食は家族5人、水入らずで過ごしてもらい、お部屋に戻ってからはこはるちゃんに次の日のディズニーランドを万全に過ごしてもらうために補液投与をすることにしました。スタッフ2名で対応させてもらい、弟くんも応援に来てくれて、みんなでピース!

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旅行2日目、ついに夢のディズニーランドへ。
驚くことに初日から2日目にかけて、こはるちゃんに痛みの訴えが一切なく、朝ごはんもしっかり食べて「早く行きたい~。」と準備万端!きょうだいお揃いでミニーちゃんとミッキーのカチューシャをつけ、元気に入園しました。

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最初に向かったのは「プーさんのハニーハント」。大好きなプーさんのぬいぐるみも買ってもらい、こはるちゃんはとびっきりの笑顔♡それから、ベイマックスへ。BGMはランダムなのですが、ラッキーなことにこはるちゃんが乗ったときに大好きなミセスの歌が流れ、家族みんなでノリノリで楽しみました♪

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お昼ごはんには、こはるちゃんが「リトルグリーンまんが食べたい」「ハンバーガーが食べたい」と言って、しっかり食事を楽しむ姿が見られました。

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それからお買い物をしていると、なんとプーさん発見!「いつも治療を頑張っていて、今日はプーさんに会いに来たんだよ。」と伝え、大好きなプーさんにハグをしてもらい、とっても嬉しそうなこはるちゃん。そんなこはるちゃんの笑顔をみてうれしそうにしているご両親をみると、不安を抱えながらもこの旅行に行くと決断し、こはるちゃんの楽しそうな表情をたくさんみることができて本当によかったと思いました。

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夜にはラーメンと蒸し餃子を「さなちゃんたちと一緒に食べたい」とお誘いが。
スタッフも一緒に夕食を囲み、楽しい時間を過ごしました。
こはるちゃんはラーメンのおかわりもして、みんなでびっくり。

最後にエレクトリカルパレードを観て退園しましたが、まだ元気いっぱいのきょうだいは、ホテルの前でシャボン玉遊び。「追いかけろー!」と走り回る姿に、ご両親と一緒にスタッフも胸が熱くなりました。

最終日、病院に戻ると主治医と看護師さんが首を長くしてこはるちゃんを待っていました。
ディズニーのお土産を大切そうに抱えながら、楽しかった3日間を思い出して少ししょんぼりしているこはるちゃん。それでも、旅行中一度も痛みで辛い思いをしなかったこと、たくさん好きな物を食べられたことに、主治医も驚き喜んでいらっしゃいました。

私が東京へ戻るときには、こはるちゃんが強い力でぎゅっと握手をしてお見送りしてくれたことが、今でも心に残っています。このご旅行は、私自身がスマイルスマイルプロジェクトの活動に携わるようになった原点を思い出させてくれました。
「楽しい!」という気持ちは、時にどんな薬よりも大きな力になる。
こはるちゃんの旅の3日間には、そう思わせてくれるエピソードがたくさんありました。長期にわたる小児がん治療のなかで、この活動がお子さんと家族の心を支え、次の治療や不安と向き合う原動力となるようにと活動していきたいと思います。

スマイルスマイルプロジェクトは、こはるちゃんファミリーをこれからもずっと応援しています!また会おうね!

スタッフ 川原沙菜

この旅行のご家族の声はこちらから

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