5月12日は「看護の日」今週は看護週間です
2020年は近代看護の母、F・ナイチンゲールの生誕より200年です。そして、1990年にナイチンゲールの誕生日である5月12日が看護の日として制定されてから30周年と記念の年でもあります。この看護の日を含む一週間は、毎年看護週間とされていますが、今回はSmileSmilePROJECT番外編として、長崎に停泊中のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」緊急医療支援活動から、私達看護師の活動をお届けします。
普段は、ミャンマー、カンボジアそして日本と、様々な場所で活動しているジャパンハートの医療者達ですが、今回は長崎に派遣されチームを組んでのミッションです。現在、SmileSmilePROJECTからは伊藤と小林が参加しています。
救護班はクルーズ船の近くに設置された診療室で、下船する乗組員への対応や体調不良を訴える患者さんの診察や救急搬送対応など、24時間体制で、自衛隊や長崎DMAT、他NGOの皆さんと一緒に行っています。チームメンバーと現状や活動の目的を共有するのはもちろん、他機関、多職種、他チームとの協働、安全管理、ストレスへの配慮など、現場に身を置くことで、看護師として何が出来るのか、何をすべきかを考える日々です。
外国で身動きも取れず、素性のよくわからない感染症に健康を脅かされるかもしれないと心配しながら、限られた狭い空間で過ごす乗組員の皆さんの毎日を考えると、身につまされる思いです。
災害支援者としての心構えのひとつとして、「被災地であるから」とか、「このような状況だから」と仕方ないという考え方をしないということを学びましたが、無意識にそんな風に考えている自分にはっとしました。
医療的ニーズが最も優先される時期が過ぎ、乗組員の健康管理の支援として看護の視点も必要になる時期になってきています。私は次のメンバーに引継ぎを行い、交代となりますが、乗組員全員が安全に下船できるように、まだしばらくはチームでの活動は続きます。
災害支援の現場活動に参加し、ケアの心、助け合いの心を最大限に発揮して、人々の健康に貢献でできることは、看護師の強みだとあらためて強く思いました。今、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、世界中が様々な制限や見えない不安でいっぱいです。人に寄り添う気持ち、助けあいの気持ちである「看護のこころ」を、多くの皆さんに届け、分かちあっていけたらいいなと思います。
SmileSmilePROJECT担当 伊藤和子