2022年3月 初春の南紀白浜へ
今回は、和歌山県の南岸にあるリゾート南紀白浜に行ってきました。
絶景の海岸や白浜温泉、可愛いパンダがいるアドベンチャーワールドなどが有名な南紀白浜ですが、私にとってはSmileSmilePROJECTで初めての担当したご家族と出かけた想い出の場所です。
そんな南紀白浜に、今回お迎えしたのはAくんご家族。1年ほど前、治療が一段落した段階でお問合せをしてくださったのですが、コロナの影響もありやっと叶った家族旅行です。はじめは、飛行機での遠出や人気のテーマパークなど旅行先を色々検討していましたが、Aくんの体調やコロナの感染状況を見ながら決めたのは車で移動できる場所。
旅の目的を聞くと、治療中食べることができなかった、Aくんが大好きないちごをたくさん食べさせてあげたい!一緒に頑張ったお兄ちゃんをアドベンチャーワールドで楽しませてあげたい!と、お母さんが教えてくれました。
当日は、予報通りの快晴、春爛漫の暖かさでした。青空の下、アドベンチャーワールドで待っていると手作りの旅のしおりを手に、元気な兄弟が姿を見せてくれました。アドベンチャーワールドは陸と海の動物が1400頭も住んでいて、動物園、水族館、遊園地がある子どもも大人も楽しい場所。とても広いので、どこから行こうか?と聞くと、お兄ちゃんがしおりの地図と行きたい場所を書いてきたページを見せてくれました。下調べ万端!
入園すると早速ペンギンのお出迎え、大きなパンダちゃんと一緒に家族写真を撮ったら、まずは海ゾーンに向かいます。ここでは、楽しみにしていたイルカショーとイルカのおやつタイムに参加です。たくさんの技を見せてくれるイルカ達を真剣に見るお子さん達、ご両親が時折話しかけながら家族みんなが笑顔で並んでショーを楽しむ姿を見ていると、きっと大変な闘病生活乗り越えてきたんだろうなとこみ上げるものがあります。
当たり前にも思える家族の時間が、本当に幸せで当たり前じゃないんだなと、たくさんのご家族に教えてもらっています。
海ゾーンの後は、パンダを横目に見ながらお兄ちゃんが行きたかった遊園地ゾーンへ移動しました。たくさんの乗り物に目移りしながら、ゴーカートや観覧車、プレイゾーンを家族みんなで閉園時間まで楽しみました。遊べる体力がAくんについてきたことに、ご両親はとても嬉しそうでした。
次の日は、朝からどんより雲のお天気。これも予報通り、午後から雨になりそうですが、雨でも安心なハウスのいちご狩りに向かいます。いちごのハウスに入ると、ほのかないい香り。たくさんのいちごを見てAくん歓声を上げていました。どれでも好きなだけ食べてもいいんだよというお母さんの言葉に、Aくん目がキラキラです。
いちごの赤ちゃんだねとAくん
こちらのいちご農園は4種類のいちごが食べ放題。広いハウスの中を移動しながら、たくさんのいちごを食べ比べ、ご家族それぞれが好きな種類を教え合ったり、写真を撮ったりして楽しい時間をすごしました。その後は、雨でも楽しめる和歌山ならではの梅干し工場見学や、お土産ショッピングをして、夕方には美味しい夕食と温泉が待っている宿に戻り、ゆっくりと家族の時間を楽しんでいただきました。
3日目は、釣り放題の海上釣り堀で釣りに挑戦です。前日の雨が嘘のような良いお天気で、釣り日和です。ライフジャケットを着て、クーラーボックスと道具を持って、やる気満々です。子どもたちに、色々な体験をさせたいと言っていたお父さん、餌のオキアミや団子のつけ方や釣りのやり方をお兄ちゃんに説明しています。山と海に囲まれ、のんびり3時間。時には、毒のある魚や小さなフグなんかも釣れましたが、あじやいさき、マダイなど大漁でした。今日の夕飯は、たくさんのお魚の料理担当はお父さんだそうです。
たくさんの魚とお土産を乗せたご家族のくるまを見送り、3日間の楽しい旅はあっという間に終わりました。
3日間一緒に過ごした時間の中で、ご両親がAくんが発病してからのこと、家族みんなが必死だったと、とにかく必死でそれぞれが頑張ったと闘病生活の話をしてくれました。仲良しで明るいご両親からは、もちろんそんな様子は感じないのですが、治療が一段落した今も、Aくんの成長発達への治療の影響など心配ごとが色々あることなども教えてくれました。長期間、辛いことが多く伴う小児がんの治療は、治療が終了した後も心配がなくなることはありません。
そんな病気と向き合うお子さんとご家族に、活動を通して少しでもサポートができたらいいなと思っています。ご家族の旅行という大切な濃い時間を一緒に過ごすので、いつも気持ちはいつも親戚のおばさんです。
SmileSmilePROJECTは、これからもAくんご家族を応援しています。
SmileSmilePROJECT担当 伊藤和子