2025年9月 シスメックス株式会社協賛 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン招待イベントを開催しました!

この9月、シスメックス株式会社様と協働し、小児がんと向き合うお子さんとご家族をユニバーサル・スタジオ・ジャパンへご招待しました。
シスメックス様には2017年度より、USJやキッザニアのご招待イベント、タリーズコーヒーのセミナーなど、子どもたちの笑顔のためにさまざまな取り組みをご支援いただいています。
今回は7組のお子さんとご家族が参加。シスメックスの社員の皆様にはイベント開催費のご支援に加え、お子さんにプレゼントするウェルカムボードの制作、パーク内での移動やアクティビティのサポートまでお手伝いいただきました。
「USJで元気に遊ぶこと」を治療の目標に頑張ってきたお子さん、長期入院の影響で1年ぶりに家族旅行に出かけられたご家族など、それぞれの背景や思いをもって参加してくださいました。事前の打ち合わせでもその思いを共有し、シスメックスの皆様とジャパンハートのスタッフが一丸となって、子どもたちが安心して楽しめる1日を準備してきました。
今回は特別に、シスメックス社員でありスマイルスマイルプロジェクトのサポーターでもある一木さんが、Yくんファミリーに付き添った1日の様子をレポートしてくださいました。
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この度は、USJ招待イベントにおいてYくんの付き添いボランティアに参加いたしましたので、ご報告させていただきます。普段はシスメックス株式会社でエンジニアをしております、一木と申します。
私がスマイルスマイルプロジェクトを知ったのは、会社の新入社員研修の時でした。研修プログラムの中に講演会が組み込まれており、その時の講師が吉岡秀人先生でした。
吉岡先生の講演を聞き、難病と闘っている子供たちが世界中にいることを知りました。そして無償で治療を行う吉岡先生に心打たれ、自分にも何かできることはないかと思い、個人的にもSSPサポーターの活動を始めました。
イベント当日。パーク入口の地球儀の前で、Yくん一家と合流。兄弟でお揃いのマリオの洋服と帽子を身に着けて登場。洋服はおばあちゃんが、帽子はお母さんが手作りしてくれたそうで、2人ともとてもお似合いでした。
最初に向かったのはジョーズ。サメは怖くないと話しながらも、乗り場が近づくにつれて顔が緊張していく様子がとても純粋で可愛いかったです。
その次にジュラシックパークの恐竜に会いに行きました。リアルな動きの恐竜が目の前に迫ってきて、2人とも終始ビクビクしていました。
お昼からは念願のニンテンドーワールド。家族4人でパワーアップバンドを腕につけ、準備は万端。ゲームの中の世界に入ったようで兄弟2人とも圧倒されていました。エリア内では、隠れピクミンを見つけてテンションが上がっていました。
そして、待ちに待ったマリオカート。アトラクションの待ち時間には、カービィのなぞなぞ絵本やしりとりをして遊び、楽しく過ごしました。待ち時間中にお父様に「普段兄弟喧嘩はしないですか?」と聞くと、「ほとんどしないです。お兄ちゃんが治療中、会えない期間も長かったので、2人とも一緒にいる時間を大切に過ごしています。」と仰っており、とても心に残っています。兄弟2人ともマリオカートが1番楽しかったと大満足でした。
夕方になり、日が傾き始めた頃、Yくんが「早くゾンビに会いたい!」と言うので、倒しに行くぞ!と意気込んでゾンビエリアに向かいました。ゾンビを目の前にした瞬間、物凄い勢いで車椅子を後ろ方向に漕ぎ出しました。Yくんに「怖かった?」と聞くと、「ホテル。ホテルに戻る。。。」と怯えていました。
その後、ゾンビがいない迂回路を通って出口に向かう作戦になったのですが、その道中でも「ここはゾンビ出ない?」と何度も小声で確認していました。そして出口に着く頃、Yくんから「最後に、あのゾンビは本物なのかだけ教えて欲しい。」と言われました。僕は「本物だと思うよ。次来る時は一緒に倒そうね。」と約束してバイバイしました。
このボランティアを通じて、色々なことに気付かされます。治療を頑張ってきた子ども、それを見守る兄弟、そして支える親御さん。病気だからといって特別扱いしない、甘やかさないという親御さんもいました。その家庭ごとに向き合い方は様々ですが、子どもたちに共通しているのが“思いやりにあふれている”ということです。
「弟が疲れているから休憩しよう」「帰ってじいばあに報告しよう」「お友達にお土産を買っていこう」。これまで治療を頑張ってきた自分へのご褒美の時間なのに、常に周りの人のことを考えて行動しています。私自身、子どもの頃は自分本位でしたし、大人になった今でもふと忘れてしまう優しい心というものにいつも気づかされます。
私は病気を治すことはできませんが、この活動を通じて微力ながらもサポートができればと思います。そしてご家族の忘れられない思い出となることが一番の喜びです。
SSPサポーター 一木 浩之
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イベント後、Yくんのお父さまからは「次は車椅子ではなく、歩いてUSJを楽しみたいと言っていました。
これからのリハビリの目標ができました」とうれしいメッセージをいただきました。
閉園の時間にボランティアさんと離れるのが寂しくて大泣きしてしまうお子さん、お家に帰ってから“ボランティアさんごっこ”をして遊ぶお子さんもいました。最初はボランティアが家族の中に入ることに少し緊張していたご家族も、「とても楽しい時間を過ごせた。帰ってからも思い出話にシスメックスのボランティアさんのお名前がたくさん出てきます」とお話してくださいました。
7組のご家族から寄せられた言葉は、「頑張る子どもたちにはたくさんの味方がいるんだよ!」という私たちの思いが、このイベントを通して確かに伝わったのだと感じられるものでした。
シスメックス株式会社の皆様、この活動を温かくサポートくださり改めて感謝申し上げます。
スマイルスマイルプロジェクトは、これからも小児がんと向き合い頑張る子どもたちとご家族をずっと応援していきます。
スタッフ 川原沙菜