2021年7月 大好きなアイドルのコンサートに行きたい!
夏の暑い日、やっとこの日を迎えることができました。
脳腫瘍と向き合う16歳のCさんには、発症する前から応援しているアイドルグループがありました。
病気が発覚してからも、病棟の看護師さんたちがアイドルをモチーフにしたうちわやポスターを病室に貼ってくれたり、辛い治療が終わったらアイドルのお顔が描かれたご褒美を用意してくださったりと、医療者とご家族、そしてCさんが二人三脚で治療を乗り越えてきました。
「コンサートには座って参加したい!」という希望をもち、その日からリハビリの先生と一緒に毎日のようにバギーに座る練習をしたそうです。座っていられる時間は日に日に延長し、10分座っていられたら良いほうだったところから、コンサート当日には3時間座っていられるようになりました。
いざ!病棟出発!
たくさんの病院スタッフに「楽しんできてね!」と声をかけてもらいながら、介護タクシーを使って会場へ。
以前に作ったお手製のうちわ、コンサートグッズのペンライトを持って、最初から最後まで楽しんでもらうことができました。大好きな歌が流れると、Cさんは微笑みを浮かべて歌に合わせてペンライトを右へ左へと動かし、喉にそっと手を当ててみると歌に合わせて声帯が震えていました。一緒に歌っていたんだね。
アンコールが終わって、帰り支度をしようとしていた頃、Cさんが大好きなアイドルが遠くから車椅子席に向かって手を振って「頑張ってね!」と言ってくれました。言ってくれたように見えました。それを見て、私たちは大号泣でした!
今日という1日がCさんとお母さん、そして私たちにとって一生忘れられない日となりました。
この日のためにご協力をいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
SmileSmilePROJECT担当 吉岡春菜