【個別企画】 箱根旅行

2024年7月に箱根旅行でこのサポートを利用した優翔くんは、当時化学療法を頑張っており、旅行中は身体の痛みや治療の副作用が強く出てしまう可能性がありました。
主治医の協力のもと元気に旅行の日を迎えることができた優翔くんは、旅行後も「いつかは自分と同じ小児がんの子たちに寄付できるような大人になりたい」と前を向いていました。
12月に天国へ旅立ち数ヵ月が経った今、ご家族が優翔くんのことをたくさんの方へ知ってほしいと胸の内をお話してくださいました。
*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*
優翔が小児がん(肝芽腫)と診断されたのは2023年5月、10歳の時でした。
サッカーと中学受験を両立させて頑張っていたある日の夜、泣き出すほどの腹痛に襲われ夜間病院へ行き、翌日から入院して抗がん剤治療と切除手術を経て12月には退院できました。年明けから少しずつ登校や勉強を再開したものの夜に眠れない日が増え、心身の不調が気になり始めました。
何か気分転換出来ないかと考えたときに医療関係者が同行するホテルの招待企画をネットで見つけ、応募したのがスマイルスマイルプロジェクト(以下SSP)でした。
4月に入ると背中の痛みや足の麻痺が現れ、脊椎に腫瘍があることが分かり緊急オペとなり、ちょうどその時にSSPから当選連絡を頂き、親身な言葉をかけて頂いたのを覚えています。手術の結果、脊椎などへの転移や肝臓の再発も分かり、今後の見通しについて非常に辛い宣告を受けました。そんな経緯もあり招待企画は辞退しましたが、個別旅行を提案頂いたので思い出作りに箱根の温泉旅行を依頼しました。
定期的な抗がん剤治療の副作用のほか、慣れない車椅子での旅行を楽しめるか不安は尽きませんでしたが、同行の看護師さんが旅先の医療機関の把握や体調に合わせた無理のない計画を立ててくれました。
初日はガラスアートの写真立てを作りながらカメラマンに家族3人の写真を撮って頂き、今も大切な思い出として飾っています。2日目は芦ノ湖の海賊船を楽しみ、最終日に漸く晴れたので、急遽ドライブを手配頂き、三国峠で綺麗な富士山を眺めることが出来ました。帰宅後、「また次の旅行もスマイルスマイルプロジェクトにお願いしたいね」と楽しそうに話す姿を見て、この笑顔を沢山見られるように頑張ろう思えました。
10月には下半身付随となり在宅医療に移行しました。
二度と歩けない事実や骨転移の痛みにも耐え、12歳ながらにこれが俺の人生なんだと受け入れ、車椅子でもしっかり勉強して社長になって、いつかは自分と同じ小児がんの子たちに寄付できるような大人になりたいと前向きに頑張りました。12月にはSSPからクリスマスカードが届き、最期は祖父母から少し早いお年玉をもらって間もなく、痛みから解放されて穏やかに旅立ちました。
小児がんの罹患者は少なく、闘病は孤独な戦いで、更に看取りの期間は言葉に出来ない辛さもありましたが、SSPなど心を寄せて下さる方々のお陰でなんとか乗り切ることが出来ました。
これからは彼が残した想いやご縁を大事に、私達なりの形で病気と闘う子達を応援していけたらと思っています。
この旅行の活動レポートはこちらから