2023年11月 紅葉シーズンの南阿蘇へ、初めての家族旅行
一休協賛宿泊企画、今回は九州にお住いのご家族を熊本県阿蘇郡の素敵なホテルにご招待しました。
今回の宿泊施設は、南阿蘇にあるTHE ACONCAGUA RESORTS
11月も半分過ぎており例年なら山々を紅葉が彩る時期ですが、今年は暖かいので少し遅れているとのこと。少し残念でしたが、家族にとって初めての旅行となるこの日、阿蘇山では初雪がちらついたそう。
そんな寒い日でしたが、ご家族は阿蘇の観光スポットファームランドを楽しんでから、ホテルのチェックインに合わせて 到着されました。
ご家族の到着に合わせ、ホテルのロビーの薪ストーブには火が焚かれ、大きなキラキラのクリスマスツリーがお迎えしてくれました。私が挨拶するとお揃いのワンピースを着た姉妹は、少し恥ずかしそう…。
でも、ウェルカムドリンクやお菓子を楽しむ間に段々と慣れてきて、しばしお喋りやクリスマスのオルゴールを一緒に楽しみました。
ロビーで体も心も温まったら、早速今日お泊りする家族のお部屋へ。
100㎡ある広い広いお部屋の大きな窓一面から阿蘇の壮大な緑が一望でき、足を踏み入れるとご家族みんな歓声を上げておられました。
お部屋には露天風呂もあり、家族みんなではいれそうです。
そんな素敵なお部屋に、ホテルの方がお子さん用にとテントを設置してくださいました。テントの中には可愛いお友達とおもちゃも入っています!なんというサプライズ♡
案の定、広いお部屋の小さなテントに姉妹は釘づけ。お部屋の探検が一通り済むと、テントに入りおもちゃタイムです。
おもちゃかごがテントから出て、本格的にプレイタイムになりそうだったのですが、せっかくなのでブロックはあとのお楽しみにしようと姉妹を説得し、プールガーデンでカクテルタイムを楽しむことにしました。
普段あまり出会わない大きな虫に驚いたり、家族写真を撮ったり、プール(さすがに泳ぐのは無理でしたが)サイドではしゃいだり
丁度、阿蘇の山々の緑と空のグラデーションのマジックアワー、そんなひとときを家族で楽しんでおられ、お子さん達の笑顔とはしゃぐ声に私もほっこり。
楽しみにしていた夕食の前には、源泉かけ流しの温泉で温まって、のんびりと家族の時間を満喫していただきました。
夕食はお子さん達も、大人っぽいディナープレート。小さな二人には量が多いかなと思っていましたが、たくさんたくさん食べたそう!
大好きなポテトフライたくさんあって良かったね。
生憎の曇り空で、星空は見られませんでしたが「久しぶりにあんなにゆったりした時間を過ごしました」とお母さん。
小さなからだで1年以上に及ぶ長期間の入院治療を頑張ったお子さんと、それを支えて一緒に闘ったご家族がやっと手に入れた当たり前の家族の時間。家族の乾杯に、私もなんだかこみ上げるものがありました。
私達がサポートさせていただいているご家族の形は様々ですが、皆さん退院されても治療が一段落しても、お子さんの成長発達や合併症、再発の不安がなくなることはないと言います。
今回、旅行後にご家族からは「まだまだ安心できる訳ではないですが、このような時間をいただいて気持ちが前向きになりました。今まで本当にとても良く頑張ってくれたんだなと、改めて今までの日々を思い返してうるっと来てしまいました。そして、こうして家族揃って今居ることへの感謝の気持ちでいっぱいになりました」と感想をいただきました。
私達スタッフは、ご家族に旅行中や旅行後に「お医者さんや看護師さんがそばにいてくれるだけで安心で心強いです」とよく言っていただくのですが、同時に医療的なデバイスがなかったり、処置がないのに付き添いしていただいて申し訳ないという声も聞きます。
でも、たくさんのお子さん達と一緒に楽しい時間を過ごす中で、お子さんの辛さやそれまでの頑張りを知れたり、ご家族の心の奥底にしまっている不安にふと触れたりすることで、一番の役割はお子さんと家族に寄り添うこととという看護の基本に気づかされることがあります。いてくれるだけで安心なんて言ってもらえるなんて素敵な仕事だなと思うと同時に専門職である責任の重さもひしひしと感じています。
こんな風にご家族の不安が少しでも軽くなるのなら、お子さんがしんどいことを一時でも忘れる時間が作れるのであれば、そこにそっと寄り添える人間でありたいと心のタスキををキュッと締めなおしたそんな旅行でした。
この旅行を支援くださった株式会社一休さま、おもてなしの心で温かい気配りをしてくださったTHE ACONCAGUA RESORTSのスタッフの皆さま、そしていつも活動を応援してくださる全ての皆さま、本当にありがとうございました。
スタッフ 伊藤和子