【個別企画】四国旅行
この夏の、旅行の夢を叶えたご家族のコメントをご紹介します。
◆お母さまの声
思いがけない娘の病気が判明し、私たち家族は不安と動揺でいっぱいでした。
しかし娘は病気と向き合う前向きな強い気持ちをもっているようでしたので私も泣き事は言わず彼女を全力で支えるぞ!の思い一心でした。
すぐに治療が始まり私は娘の付き添いを、夫は妹達のいつも通りの日常を送るために家事と仕事をこなし家族の生活スタイルが一変しました。高齢の親にも頼れず妹達の食事作りには苦戦していたようです。
日に日に身体のしんどさに追い討ちをかけるように抜ける髪の毛。
歳頃の女の子にはたまらなく辛かったと思いましたが、娘はほとんどといってもいいくらい弱音も吐かず一緒に入院しているお友達と互いに励まし合いながら乗り越えていましたが心の中は相当葛藤していたと思います。
まだ末の妹は幼児だったため私に甘えたい気持ち、思春期の次女が父と過ごすことがどれだけ大変かは週末の娘の体調の落ち着いたタイミングで交代したときに家に帰るとよくよく伝わってきました。
どこでもドアがあったらすぐにでも子ども達を抱きしめてあげられるのに…
治療をしている娘が1番辛いことは重々わかっているけれど家にいる妹達も相当我慢していることがたくさんあるんだと気づきました。
何よりお姉ちゃんに会いたいこともです。
コロナが広がり面会も一時外泊も制限が増えてしまい、中学校の卒業式にもでることができませんでした。受験生でもありましたが志望校の受け入れも難しくなかなか思うようにすすまず私自身も悔しい気持ちになっていました。
治療が順調に進んでいたと思っていた矢先に薬にアレルギー反応が起きてしまい、移植しか治療法がないと言われまた大きな壁にぶち当たってしまいました。
この時ばかりは私も付き添いができなくなり、会えない日もありましたが毎日病院へ通い様子だけでも…と
娘の好きそうなおかずを作って一口でも食べてもらえたらいい
なと通い続けました。
LINEビデオ上では家族の顔が揃うけれどはやく1つ屋根の下で暮らせる日がくるようにと願うばかりでした。
妹の短冊にもお姉ちゃんのことだけを願っていました。
家族と会えない期間は更に先生や看護士、スタッフの方々、ソーシャルワーカーさんが支えてくださり娘も移植が生着し、退院に向けて、日常生活の希望に胸をふくらませてリハビリを頑張り、体調が安定したところで1年ぶりに家に帰ってくることができました。
みんなでごはんを食べる。
リビングでたわいもなく過ごす。布団を並べて寝る。
学校へ行ってみんなと一緒に勉強をする。
あたりまえだと思った日常がこんなにも幸せなことだと感じられたことはみんなが辛い気持ちや我慢を乗り越えたからこそだと思います。
そんな様子をみまもってくださっていたソーシャルワーカーさんから入院中娘との会話のなかで退院したら旅行に行きたい夢の話を気にとめてくださっていて、スマイルプロジェクトさんからのご支援で娘が念願だった四国への温泉旅行企画が実現しました。
正直入院中の生活費がいろいろかさみ、旅行などまだしばらく先のことだなぁと思っていたところに嬉しい企画に家族でとても喜んでいました。
先生方が付き添ってくださったおかげで計画通りにはいかないときもアイデアをだしていただいたり、身体面も安心して過ごすことができました。
素敵な宿で美味しい食事がいただけたことすべてが楽しくて笑顔しかでてきませんでした。
行くまでにも素敵なカード、宿にもメッセージ、うーさんの写真撮影。私たちが知らないところでたくさんの方のご支援があり皆様のお心遣いには感謝しかありません。
久々の旅に体は疲れましたが、心はとても満たされました。
ハプニングもありつつ楽しい思い出がたくさん作れたことは今でもアルバム写真を見ながら、あの時は楽しかったね〜夢みたいだったね。みんなにありがとうだね。また行きたいなぁ。と話題になりリビングでよく話しています。
夢を現実に叶えてくださったすべての皆様に感謝の言葉しかでてきませんが、幸せな時間を提供してくださり本当にありがとうございました。