2023年10月 家族のアニバーサリーを祝おう!大好きなアリエルとマーメイドラグーンの世界へ

2023.10.27 活動レポート
小児がん 子ども 家族旅行 ディズニーシー ディズニー 支援

ご家族の大切な日には、いつもディズニーリゾートでお祝いをしてきたAちゃんファミリー。

Aちゃんが「次のママのお誕生日はディズニーシーに行きたい!」と言っていたそうですが、その時期は猛暑が続き、お出掛けするには厳しい気候でした。
少し涼しくなった10月にご家族でディズニーシーに行きたいと依頼がありました。

1泊2日の旅行を希望された10月には、ご両親の結婚記念日、それからAちゃんの誕生日、そしてお兄ちゃんの誕生日と大切な日が続きます。

旅行の準備として、面談を行った際にお母さんからディズニーリゾートでの思い出がたくさん詰まったアルバムを見せてもらいました。そこには、家族が今まで利用した乗り物や食べたもの、お子さんの成長の記録が書かれており、ディズニーリゾートが家族にとって大切な場所であることが伝わりました。

家族の思い出の場所で2日間を過ごしたい。
その思いに応えたいと主治医の先生と診療医の先生、訪問看護師さん、当日の送り迎えをしてくれた介護タクシーの運転手さん、ディズニーリゾートの担当者さんと連携し、Aちゃんが安全に楽しくディズニーシーで楽しむことができるよう準備を進めました。

しかし、旅行の1週間前。お母さんから、Aちゃんの体調が変化して病院を緊急受診したと連絡がありました。
幸い、すぐにAちゃんはお家に戻ることができましたが「こんな状態でディズニーシーに行ってもいいでしょうか。」と話されるお母さんの声はとても不安な様子でした。

楽しみにしているAちゃんとお兄ちゃんのためにディズニーシーに連れて行ってあげたい。
それでも、ディズニーシーに行ってAちゃんの具合が悪くなってしまうようなことがあったら、ご家族は後悔してしまうかもしれない。

お母さんの連絡を受けて、ご家族の安全な旅行のためにどのような準備が必要か、スタッフ全員で話し合いを行いました。そして、診療医の先生と訪問看護師さんに協力してもらい、旅行前日にAちゃんの体調の最終確認を一緒に行うことになりました。

診療医の先生は、「行っておいで、絶対に行ってきた方がいいよ、僕がお家の近くで待ってるからね。」と優しくAちゃんに声をかけました。訪問看護師さんもAちゃんが帰ってくる日に様子を見に来れるよう訪問日を調整してくださいました。
ご家族も含めてAちゃんに関わる医療スタッフがAちゃんとご家族の旅行の実現のために一致団結することができました。

お母さんとお父さんからは「初めて面談したときよりも、症状が進行してしまってAの様子が心配だったけれど、ここまで準備したら本当に安心して行くことができます。」と笑顔が見られました。

出発の日、お兄ちゃんはボランティアさんが作ってくれたしおりにたくさん行きたいところや買いたいもの、食べたいものを書いて準備万端の様子です。
介護タクシーにスタッフも同乗しご自宅からディズニーシへ出発しました。

タクシーの中では、「Aちゃんが好きだったマーメイドラグーンとアラビアンコーストに行きたいね~。」とお母さんとお話ししながらパークへ向かいました。

入園口でおばあちゃんおじいちゃんと叔母さん、ボランティアさんと合流し、念願のディズニーシーへ入園できました!

小児がん 子ども 家族旅行 ディズニーシー ディズニー 支援

ラブグラファーのすーじーさんがアクアスフィアの前で家族写真を撮ってくれたとき、お母さんの目に涙が浮かんでいるように見えました。

子どもの願いを叶えてあげたいと頑張ってきたお母さんはこの日まで不安でいっぱいだったのだろうなと感じました。
これからもっと楽しい時間を過ごしてほしいと思い、まだ入園したばかりですよ!とお母さんにお声かけしました。お母さんも笑顔になり、気持ちを新たにAちゃんとご家族のディズニーシーの旅がスタートしました。

入口では、きょうだいの大好きなアリエルやチップとデールがお出迎えしてくれました。お兄ちゃんは、チップとデールに大興奮!

それから思い出の場所をぐるっと一周するようにパークを歩きました。ディズニーシーに来たらよく遊んだというマーメイドラグーンでは、お母さんが作りたいな~とお話していたきょうだいの横顔の切り絵をつくってもらいました。40周年バージョンの特別な切り絵です。

それから思い出のマーメイドラグーンとアラビアンコーストを背景にして家族写真を撮り、ご家族からは宝物になったと嬉しいお言葉をいただきました。

この後、Aちゃんの体調を考慮して少し早めにホテルで休息をとることにしました。

小児がん 子ども 家族旅行 ディズニーシー ディズニー 支援

この日の夕方には、ご両親が子どもたちにチップとデールのグリーティングをサプライズで用意していました。ホテルのお部屋でお休みしたAちゃんの体調も良好で家族揃って会場に向かうことができました。少し緊張しながら会場で大好きなチップとデールを待つお兄ちゃん。チップとデールに会うとサインを貰い、最後にはハグをしてもらいました!

ご家族に優しく寄り添うチップとデールとの時間で家族のかけがえのない思い出がまた一つ増えました。

ゆったりと家族の時間を過ごし、翌日はタクシーでご自宅に向かいました。タクシーのドライバーさんがディズニーのBGMを流してくださり「Aちゃんの好きなアリエルの曲だ!」と思い出話をしながら帰りました。

ご自宅に到着し、Aちゃんがお家のベッドに横になるとお父さんとお母さんもほっとしたご様子でした。「Aの体調も看てもらいながら吸引や経管栄養も手伝ってもらって、本当に安心でした。昨日の夜は安心したのか私もぐっすり寝てしまいました。本当に大切な思い出です。ありがとうございました。」と話されるお母さんの笑顔を見て、ご家族みんなで旅行にいくことができて本当によかったなと思いました。

スマイルスマイルプロジェクトでは、小児がんのお子さんとそのご家族の旅行に医療スタッフが付き添いを行っています。お子さんの体調やご家族の状況はそれぞれですので、申し込みを迷われている方もいるかと思います。
まずは、問い合わせから、私たちにお手伝いができることがあれば嬉しく思います。

小児がん 子ども 家族旅行 ディズニーシー ディズニー 支援

スタッフ 川原沙菜

関連記事